学生時代に、サークルの皆でファミリーレストランに立ち寄った時の出来事です。隣に座ったC子が、私に小声で話すのです。「D男先輩の頼むメニュー、私分かるよ。」何を言い出すのかと思いきや、D男先輩が、ファミリーレストランで頼むメニューが分かる事にどんな利点があるのか、全く理解できなかった私は、そんな彼女の耳打ちに、耳を傾けることもなく、空腹感に苛まれグランドメニューに釘付けになっていました。空腹感に苛まれると言うのも変ですが、空腹感に追い立てられるように、その日は、冬季限定おススメ品の、デミグラスソースのオムライスとドリンクバーを注文しました。皆で、思い思いのドリンクを飲みながら、他愛のない話で時間を潰していると、次々とお料理が運ばれてきました。待ちに待った、冬季限定おススメ品のデミグラスソースのオムライスです。メニュー表に書かれている、この「おススメ品」&「限定」に弱いなぁと、自分自身に語りかけながら、オムライスを頬張っていると、隣で、C子が「よっしゃ」と小さなガッツポーズをみせました。どうかしたのか、小声で聞いてみると、どうやら、D男先輩の頼むメニューが的中したようでした。D先輩の、本日のオーダーは、特選和牛御膳だったようです。学生がオーダーするには、ずいぶん贅沢品だなぁと思いましたが、私は目の前のオムライスに夢中だったので彼女とのおしゃべりそっちのけで、オムライスを平らげました。後日、今度は、サークル活動後に、お蕎麦屋さんに、いつものメンバーで向かうと、C子が、また私に耳打ちしてきます。「D男先輩の頼むメニュー、私分かるよ。」と、自信の笑みで、鯛飯蕎麦セイロで間違いないと言い張るのです。今日のお蕎麦屋さんは、サークルメンバーでは、初めて来たお店なのに、どうしてそんなことが分かるのか、聞いてみると、D男先輩はお寺の息子で、実家の地元では超有名なお寺さんだそうです。上京し、学生寮に入っていますが、車は、中年の一般サラリーマンのオジサマでも手が出ないほどの国産高級車を乗り回しているそうです。ですが、そんな情報とメニュー表のオーダーが的中することには、共通点がみつからないではないかと質問すると、彼女は、さらに小声になって、ある日、気づいたのだけれど、D先輩が頼むオーダー品は、必ずその店のメニュー表の中で、一番高額な品なのだそうです。D男先輩は、どんなお店に行っても、一番高いお料理を注文するのだと、C子は、嬉しそうに話していましたが、私にとっては、馬の耳に念仏のように眠気しか起きないような内容でした。レストランや食堂の席に着いて、メニュー表を眺め、その日に食べたいものを注文するのではなく、とにかく一番高価なお料理を注文するなんて、私には信じがたいお話でした。私の場合、今日は、財布にお金が寂しいので一番安い定食を注文しようと思ったことはありますが、お財布に余裕があるから、一番高いお料理頼もうなどとは、考えたこともありませんでした。D男先輩が、もしもメニュー表に金額が表示されていない、お店でデートをするとしたら、先輩は、いったいどんなお料理をオーダーするのでしょうか?気になるところです。皆さんの、メニューの選び方は、何かマイルール的なものはありますか?たかが飲食店のオーダー1つとっても個人の価値観とは、不思議なものですね。