各メニューのメニューブックへの掲載の可否は、そのメニューの売上と利益から決定されることがほとんどです。しかし、それ以外の選択基準も少なからずあるため、ここでご説明したいと思います。

基準の一つは、「店のコンセプトと合致しているかどうか」です。たとえそのメニューの売上が高くても、コンセプトから外れていれば、店の統一感は失われてしまいます。そのメニューの人気が高まるのと軌を一にして来店するようになった常連客に対しては、裏メニューとして提供するのも一つの解決案でしょう。

基準の二つ目は、「調理時間」です。人気のあるメニューであっても、調理には時間と手間が掛かるものもあります。客も「少しくらいなら待とう」と決意して注文するくらいの人気メニューですから、比較的空いた時間帯のオーダーであれば問題ありません。しかし、混む時間帯にも提供してしまうと、オペレーションは確実に乱れ、客の苛立ちも跳ね上がります。ひとたび混めばオーダー受付するのも儘ならないメニューであれば、削除するのも選択肢でしょう。

基準の三つめは、「食材が特異かどうか」です。他のメニューとは違い、特別に仕入れている食材を利用したメニューを設けると、売れ行き次第でその食材をすぐに廃棄しなければなりません。これは店の利潤を大きく減じてしまいます。大きなロスを招きかねないメニューについては、慎重に検討する必要があります。

基準の四つ目は、「メニューブック全体のバランス」です。売れるメニューばかりを掲載した結果、バランスが損なわれてしまうこともあります。例えば、あっさりしたメニューが不足したり、肉類ばかりになったりすることがあります。またメニュー総数が店のオペレーション能力を上回ってしまったり、用意する食材が冷蔵庫のキャパシティを超えたりすることもあります。